近年、地上波放送も終了し、人気もスーパーＧＴに大きく水を開けられているフォーミュラ・ニッポン(以下FN)に提言です。
1996年から始まったFNは、11年の歴史を刻んできました。しかし、昨年からはフジテレビが地上波撤退。今年からは、ＢＳフジで放送されていますが、一時は当日深夜に放送されていただけに下火になっているといえるでしょう。
まず、FNというのはＦ１の下のカテゴリーに属します。元々、Ｆ１の下にF-3000(現GP2)というカテゴリーが存在しましたが、1996年より国際F-3000がワンメイク化されるに伴い、日本では全日本F-3000選手権の名称をFNに変更し、旧来のF-3000規定を継承しました。
ローラ、レイナード、Ｇフォースの３メーカーのシャシーのマシンでレースを争っていましたが、レイナード製のシャシーが有利な状態が続き、Ｇフォース撤退。しかし、レイナードが2002年に倒産してしまい、2003年からはローラ製シャシーのワンメイクに。
エンジンも無限、コスワース、ジャッドが使用されていましたが、ホンダが抜きん出てしまいコスワースとジャッドが淘汰されてしまい、結局は一昨年まで、ローラ製シャシーにホンダ製エンジン。そして、ブリジストンタイヤのワンメイクという状態が続きました。
FNの歴代王者の中にはF1で活躍したレーサーも数多くいます。
1996年 ラルフ・シューマッハ（現F1パナソニック・トヨタチーム）
1997年 ペドロ・デ・ラ・ロサ（現ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス テスト・ドライバー）
1998年 本山 哲
1999年 トム・コロネル（FIA WTCCに参戦中）
2000年 郄木虎之介（元F1アロウズ ドライバー）
2001年 本山 哲
2002年 ラルフ・ファーマン（元ジョーダン ドライバー）
2003年 本山 哲
2004年 リチャード・ライアン
2005年 本山 哲
2006年 ブノワ・トレルイエ
しかし、近年になるとFNからF1にステップアップしたドライバーは、昨年スーパーアグリ・ホンダ（以下ＳＡＦホンダ）から参戦した井出有治と山本左近（現ＳＡＦホンダ テストドイバー／GP2参戦）のみである。ＳＡＦホンダで活躍している佐藤琢磨やウイリアムズ･テストドライバーの中嶋一貴は、海外での実績を認められてF1に関係している。
更に、今年のF1でドライバーズ・ポイントでトップを走っているルイス・ハミルトン（マクラーレン・メルセデス）やウイリアムズ・トヨタのニコ・ロズベルグ。そして、ルノーのエイキ・コバライネンなんかはGP2からのステップアップである。
今年のシーズンオフには、GP2アジアシリーズも開幕するという話ですし、FNもGP2の車両を使ってGP2の規定で開催されると、日本人ドライバーもGP2に順応しやすく、再びF1への道が近くなるのではないかと感じております。
